NPO法人 働く文化ネット

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労働映画『白い機関車』が終了

 第54回労働映画鑑賞会が終了しました。

 2018年最後の労働映画鑑賞会では、戦後日本の労働組合自主製作映画の代表的作品のひとつとして注目されながら、鑑賞する機会がほとんどなくなっていた”幻の名作”『白い機関車』を鑑賞しました。(今回の上映は、米沢市教育委員会視聴覚センター所蔵の16㎜フィルムを特別のご配慮により貸し出していただくことができ、可能となりました。)

 上映後、司会の鈴木さんより作品の詳細解説、つづいてゲストとしてお越しいただいた共立女子大学講師の佐藤洋先生よりコメントをいただきました。労働組合が映画を自主製作した背景や、『白い機関車』という作品の”労働映画”としての位置づけ等についてお話を伺い、作品に対しての理解を深めることができました。

 ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。

 次回の労働映画鑑賞会は2月14日(木)となります。※1月はお休みです。

  上映作品:『白い機関車』(1955年/35分/機関車製作)

脚本・監督:野村企鋒、撮影:仲沢半次郎、原作:小野春夫、出演:藤原秀典、城実穂、原保美

機関車の大好きな広介は、先生から「算数が苦手だと機関士になれないぞ」と言われて落ち込む。ある日、冬の恒例行事《雪のコンクール》のクラス出品作品として、広介は雪で機関車を作ろうと提案する。<こどもたちの夢と雪と機関車>を軸に、蒸気機関車の運行を担う人たちの仕事と職場を紹介する児童劇映画の傑作。

                

<上映会の様子>

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共立女子大学講師・佐藤洋先生

 

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作品解説資料・一部抜粋

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作品解説資料・一部抜粋

  ~次回のご案内~

 ― 第55回労働映画鑑賞会 ー

 日  時:2019年2月14日(木)18:00~(17:45開場)※1月はお休みです。

 場  所:連合会館 201会議室

 ~歌い、踊り、泣いて、笑った、500日!~

 上映予定作品:『Weabak:外泊(2009年、韓国、73分)

 〇2007~2008年にかけて、510日間続いた大手スーパー非正規女性労働者たちの

  闘いの記録。※2018年11月の労働映画鑑賞会上映作品「明日へ」の基になった

 「イーランド争議」を記録したドキュメンタリー作品

    参  加  費:無料(事前申込不要)   お気軽にご参加ください。お待ちしております。

第54回労働映画鑑賞会のご案内

第54回労働映画鑑賞会を下記の通り開催します。

  • 開催日:2018年12月13日(木)18:00~ (17:45開場)
  • 会 場:連合会館201会議室 (地図:http://rengokaikan.jp/access/
  • 参加費:無料(事前申込不要、どなたでも参加出ます。)

第54回テーマ ~こどもたちの夢と機関車~

上映予定作品:『白い機関車

       (1955年、35分、白黒 製作:機関車労働組合

2018年最後の12月第54回労働映画鑑賞会では、機関車労働組合(正式には「日本国有鉄道機関車労働組合」。1950年に国労機関車協議会を母体に機関車乗務員を中心とする組合として結成。1957年国鉄動力車労働組合に改称。)が、その文化活動の一環として自主製作した映画の第1回作品。戦後日本の労組自主製作映画の代表的作品のひとつとして注目されながら、鑑賞する機会がほとんどなく、幻の名作と呼ばれていました。このたび、米沢市教育委員会視聴覚センター所蔵の16mmフィルムを、特別のご配慮により労働映画鑑賞会で上映させていただけることとなりました。ぜひ多くの方々に鑑賞していただきたいと思います。ご来場をお待ちします。

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第54回労働映画鑑賞会ご案内のチラシはこちらです。

12月労働判例命令研究会のご案内

当法人が後援する日本労働弁護団主催の「労働判例命令研究会」のご案内です。
労働組合の役員・書記・組合員や組合関係者(労働審判員、労働委員会の参与委員など)の皆さまのご参加を期待しています。

 

 <第121労働判例命令研究会のご案内>

 ◆日時:2018年12月10日(月)18時~20時

 ◆会場:連合会館4階401会議室 (地図:http://rengokaikan.jp/access/

 

◆報告者・報告判例

1.梅田 和尊 弁護士(日本労働弁護団事務局次長)

〇最近の固定残業代に関する裁判例について

 

2.竹村 和也 弁護士(日本労働弁護団事務局次長)

〇最近の労組法上の使用者性に関する命令について

 

今回は一つの裁判例・命令を検討するのではなく、一つのトピックについて近年の裁判例・命令の傾向を検討したいと思います。

労働弁護団が発刊している労働者の権利327号(労働者の権利白書2018年版)を利用しようと考えています。

この1年の労働立法の動向、判例や命令等を整理した充実したものとなっています。

本来は2000円ですが、当日は500円で販売しますので、よろしければご購入ください。

 

◆主 催:日本労働弁護団

◆後 援:NPO法人働く文化ネット

http://hatarakubunka-net.hateblo.jp/

 

◆今後の予定

・1月21日(月)

・2月18日(月)

・3月11日(月)

「労働映画百選通信」第34号配信

「労働映画百選通信」第34号が配信されました。是非ご覧ください。

<内容> 

①第54回 労働映画鑑賞会テーマ《こどもたちの夢と雪と機関車》

 上映作品 : 白い機関車(1955年/35分/白黒)

 12月13日(木)18:00~ (17:45開場) 連合会館201会議室

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②【リポート】労働映画祭2018 働くものの困難と福祉社会の現状をめぐる対話

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③【労働映画のスターたち】第36回「左 幸子」 

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  思春の泉(1953)         野のきよら 山のきよらに光さす(1983)

  

④【上映情報】労働映画列島!11~12月

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労働映画『明日へ』が終了

 第53回労働映画鑑賞会が終了しました。

 9~11月は、特別企画としてアジアの労働映画を3作つづけて取り上げました。企画のトリとして、第3弾の今回の鑑賞会では、“人として扱ってほしい”をテーマに韓国映画『明日へ』を上映しました。司会の鈴木さんより「タテから観ても、ヨコから観ても、ナナメから観ても”労働映画”という作品」と紹介がありましたが、コメントどおり正に”労働映画”、非常に見応えのあるエネルギーを持った作品でした。

 ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。

  上映作品:『明日へ』(2014年/104分/韓国)

監督:プ・ジヨン 脚本:キム・ギョンチャン

初めての「外泊」で彼女たちは…   文:波多楽久

 

~略~

韓国映画『明日へ』の基になった事件は、2007年に起きた「イーランド争議」だ。当時のノ・ムヒョン政権が「非正規職保護法」を施工する直前に、正社員化を嫌がった会社側がレジ係などの外注(アウトソーシング)を強行した。一方的な解雇通告を突きつけられた400人余りの女性たちは、売り場占拠などで会社側に対抗。512日間(1年半近く)にわたる闘争の末、最後まで残った180人の職場復帰で和解した。

 一見、平凡な「アジュンマ(おばさん)」たちが大企業を向こうに回して闘った争議は、韓国社会があらためて女性の働き方を考え直す、大きな問題提起ともなった。争議の終結までを記録したドキュメンタリー映画『外泊』(2009、キム・ミレ監督)は、店舗内に籠城することになった女性たちが、それまでは家庭の主婦として許されなかった「外泊」により、あらためて《ひとりの人間》として覚醒していく瞬間を捉えた。

           

         -労働映画百選通信№33よりー全文はこちらから

                 

<上映会の様子>

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  ~次回のご案内~

 ― 第54回労働映画鑑賞会 ー

 日  時:2018年12月13日(木)18:00~(17:45開場)

 場  所:連合会館 201会議室

 ~こどもたちの夢と雪と機関車~

 上映予定作品:『白い機関車(1955年、日本、50分)

 〇機関車労働組合が自主製作した、幻の名作。

    参  加  費:無料(事前申込不要)   お気軽にご参加ください。お待ちしております。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』鑑賞後に行われた「対話」

「人とのつながり」を通しての「誇りの継承」

当法人が本年7月21日に開催した「労働映画祭2018/第50回労働映画鑑賞会」において、上映映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』鑑賞後に「~働くものの困難と福祉社会の現状をめぐる対話~」が行われました。大変、充実した内容の対話でしたが、当日参加された皆さまから、対話の内容を紹介してほしいという要望が出され、それに労働映画祭2018事務局がお応えし、対話の一部を要約、編集いたしましたので公開します。(文責は働く文化ネットにあります)

・ 労働映画祭2018「対話」報告

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~開催内容~

NPO法人働く文化ネット主催 「労働映画祭2018/第50回労働映画鑑賞会」

開催日 2018年7月21日(土)

上映映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』鑑賞後に行われた「対話」

タイトル「働くものの困難と福祉社会の現状をめぐる対話」

~講師~

宮本太郎(みやもと・たろう)氏 中央大学法学部教授。政治学者。

井坂能行(いさか・よしゆき)氏 岩波映像顧問。

~司会~

鈴木不二一(すずき・ふじかず)NPO法人働く文化ネット理事

 

~報告の見出しから~

●鑑賞後の感想は「悲しみ」「怒り」「元気をもらった」

●イギリスにおける福祉政策の変化と日本

ケン・ローチ監督作品の独特な雰囲気づくりの手法

●大切な人との「出会い」と「誇りの継承」

●映画に登場してこない労働運動

●孤立しないために一歩踏み出す勇気

 

~報告のコメントから~

宮本:我々は労働運動とか社会運動というと、理念とか大義や政策の一致点とかいう

 話になりがちですけれども、ケイティがフードバンクで空腹のあまり食べ物に

 むしゃぶりついてしまったときに、「君は決して悪くない」といって、ケイティに

 ダニエルが駆け寄って言うセリフ、あの言葉でケイティがどれだけ救われたのか。

 つながることだけで苦しみが癒されるのですね。それだけではなく、最後の葬儀の

 場面でのケイティの胸の張り方を見ても分かるように、本当に威風堂々なのですね。

 あの力というのは、どこからわいてくるのかなと考えると、つながりを通しての

 「誇りの継承」というテーマに思い当たります。

井坂:ダニエルが職安の壁に落書きをする場面で、一人躍り出ててきて演説するよう

 な男性がいます。なんとなく彼に目がいきますが、道の反対側にいる大勢の人たち

 が面白いんですね。道の向こう側には、本当になんか踊り子みたいな、いわゆる

 三流の場で踊っているような踊り子みたいなのがいたり、なんて言うか、山谷、

 釜ヶ崎的な人がいたりとか、まさにいろいろな庶民であったり、ちょっと取り残さ

 れた層であったり、あるいは逆境に追い込まれたりした層である人たちが、ずっと

 あそこに集まって、ダニエルに喝采します。あの辺もケン・ローチのやってみたか

 ったことではないでしょうか。内心でこうした出会いの瞬間を望んでいる面もある

 のではないかと思います。

11月労働判例命令研究会のご案内

当法人が後援する日本労働弁護団主催の「労働判例命令研究会」のご案内です。
労働組合の役員・書記・組合員や組合関係者(労働審判員、労働委員会の参与委員など)の皆さまのご参加を期待しています。

 

 <第120労働判例命令研究会のご案内>

 ◆日時:2018年11月12日(月)18時~20時

 ◆会場:連合会館4階401会議室 (地図:http://rengokaikan.jp/access/

 ◆報告者・報告判例

1.中村 優介 弁護士(日本労働弁護団事務局次長)

〇日本ケミカル事件・最判平成30年7月19日裁判所ウェブサイト

~基本給と区別して支払われる定額の手当の支払いにより労働基準法37条の割増賃金が支払われたということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例~

  http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/883/087883_hanrei.pdf

 

2.上田 貴子 弁護士(日本労働弁護団会員)

フクダ電子長野販売事件(東京高判平成29年10月18日労働判例1179号47頁)

~上司による一連の退職強要行為が、直接退職強要を受けたわけではない原告らにも間接的に退職を強いるものがあるから、当該原告らとの関係においても違法な行為に当たるとされた例~

 

◆主 催:日本労働弁護団

◆後 援:NPO法人働く文化ネット

http://hatarakubunka-net.hateblo.jp/

 

◆今後の予定

・12月10日(月)