働く文化ネットが2016年6月に刊行した『日本の労働映画百選』の電子書籍版
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<「日本の労働映画百選―選考の主旨と経緯について」より抜粋>
19世紀末に日本に映画が導入されて以降、現在にいたるまでの膨大な映像作品の中から、「働く人たちの仕事と暮らしを描く映像作品」の代表作百本を選び、日本の「労働映画」の豊かな伝統と作品群の広がりについて考察し、その成果を広く世に問うことによって、日本の「労働映画」の振興に寄与するとともに、「労働映画」を通じて、これからの日本の労働文化・労働社会の諸課題を考えるためのひとつの素材を提供することとをめざして、労働映画百選選考委員会を発足させることとした。~中略~
「日本で撮影された映画のうち、(1) 労働者の仕事と暮らしの実態を直接の描写対象とするもの、(2) 労働者の仕事と暮らしの維持・改善をめざす運動や取り組みを描くもの」を労働映画と定義し、これに基づいて日本の労働映画1281本の目録を作成した。
これらの膨大な映像作品が映し出した多様な現実と映像作家のメッセージをくみとるために、代表作百本を「日本の労働映画百選」として選ぶこととした。その際の選考基準は次のとおりである。
(1) 典型的な作品を通して、労働映画の世界の広がりと深さを示すことに主眼を置く。
(2) 労働描写が全体の中でどの程度の重みを持っているかを吟味し、それが作品全体の主軸をなすものを選ぶ。
(3) 映像作品としての質の高さも重視する。
(4) 専門家ではなく、映画に興味を持ち、また、働くということの過去・現在・未来に関心をよせる一般市民、とりわけ若い世代の人たちに、労働映画百選のメッセージを伝えることを念頭に置く。
(5) できるだけフィルムなどの記録媒体が現存し、比較的鑑賞しやすい作品を選ぶ。