戦後の大争議の一つ「日鋼室蘭争議」から今年で60年。この争議の記録集「1954年 日鋼室蘭闘争の記録 日鋼労働者と主婦の青春」が、連合会館5階の総評コーナーに保存されています。
昨今、政府による労働者保護ルールの改悪に向けた動きが始まっています。その中に労働契約法第16条に定める解雇権濫用法理(整理解雇4要件)の見直し、すなわち解雇規制の緩和の問題があります。
我が国においては、戦後の幾多の労使紛争を経て、安易な整理解雇は認めないとのルールができていますが、こうしたルールができた背景には、日鋼室蘭など多くの組合の大変な苦労と、争議の教訓が生かされていることを肝に銘じておかねばなりません。
◆日鋼室蘭闘争とは
1954年6月、日本製鋼所は朝鮮戦争休戦による景気減退を理由に、室蘭製作所915人を含む大規模人員整理案を発表。日鋼室蘭労組はナショナルセンター総評などの支援を受けながら反対闘争を展開しました。同年の12月末に中央労働委員会のあっせんを受け、193日間に及ぶ闘争は終結しました。
◆解雇権濫用法理(労働契約法16条)とは
① 客観的合理的な理由の有無(例えば、「単に気に食わないから解雇」などはダメ)
② 社会通念上の相当性(社会的に「まあ、しょうがないね」となるものかどうか)
◆整理解雇4要件(要素)とは
整理解雇は、次の4つの要件に適合していないと無効とされている。
① 人員整理の必要性
② 解雇回避努力義務の履行
③ 被解雇者選定の合理性
④ 手続の妥当性