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労働映画鑑賞会「ドキュメント路上」が終了

第25回労働映画鑑賞会が終了しました。

2月4日(木)18:30~20:30(18:00開場)

~交通安全の最前線にて~

 上映作品:『ドキュメント 路上』(1964/54分)

 1963年、高度経済成長の只中、東京では都市整備の工事が急ピッチで進んでいた。そのため、道路事情は一挙に悪化していた。タクシーの運転を生活手段 とする主人公は、そうした状況下で働いている。朝方まで営業運転した後、一般の通勤者とは逆方向に帰宅する彼。奥さんの手作りの朝食をたいらげ、赤ちゃん と遊び、そして眠る。
 再び路上。工事資材等を運ぶトラックが、ひしめき合って走る中、彼の運転するタクシーも走る。突然、ミキサー車が前方を遮る。急ブレーキ! 互いにのの しり合ううち、道路は大渋滞。やっと走り出したと思えば、突然サイレン、スピード違反だ。罰金は生活に直接ひびく。罰金の支払窓口ヘ行くと、そこは運転 生活者でいっぱいである。なけなしの生活費が、機械的に処理される窓口。
 会社へ戻ると、仲間のひとりが胃のレントゲン写真を見せている。ひどい胃下垂、職業病だから他人事ではない。それでも走る、工事だらけの東京。”開か ずの踏切”で、大渋滞につかまった。通過する電車も通勤者ですし詰めだ。やっと抜けると今度は狭い路地、歩行者の中を注意深く運転しなければならない。 大きな道路に出ればまた大渋滞、工事中の路面はデコポコ。胃にひびく。旗をふる工事の人、舞い上がる粉塵。急に道路を渡る子供と老人。郊外へ向う客をひ ろった。窓外にのどかな田園で働く農夫が見える。
 再び東京。事故の惨状の写真や、事故発生地点を示した地図が街頭に置いてある。夜もヘッドライトの光の動きが絶えない路上。電光掲示板が告げる交通事 故。バックシートで眠る客。幻惑誘うヘッドライトの光。“前方のトラックを追い越そうとする。危い.′ 急ブレーキ‥‥‥。
 朝、事故車を運ぶクレーン。タクシー会社では朝礼。「皆さん、事故にはくれぐれも注意して……」
土本は、この作品を劇映画と考えている。ここでも土本は、違反や危険なしには働けない運転生活者の労働実態に目を向けており、日常の外面をモンタージュすることで日常の内面をえぐりだしている。
 なお、この作品は、交通安全映画として警察庁に買い上げられ、活用されることになっていたが、完成後未公開のままとなった。

   「記録映画作家 土本典昭のホームページhttp://brskn.web.fc2.com/index.html」より

今回は、約40名の方にご参加いただきました。ありがとうございます。

 <会場の様子>  

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 <全自交労連 松永書記長のコメント>

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<ご来場いただいた松永次央氏(全国自動車交通労働組合連合会 書記長)から、次のようなお話をいただきました。>

・映画で描かれている時代と現在を比較して、安全に対する状況はよくなっている。始業前と後にアルコールチェックを行っているし、99.9%の車両が禁煙タクシーとなり、乗務員が社内で喫煙することはなくなった。一方、映画で描かれていたように洗車・点検から納金して最後に洗車するという流れは今も変わっていない。
・当時も今も運転手の労働条件はほとんど変わっていない。むしろ規制緩和により賃金は低下している。それなのに東京オリンピックを見据えての初乗り運賃の値下げ、規制緩和による白タク(ウーバー)問題等、業界を取り巻く状況はとても厳しくなっている。京都、大阪では運賃ダンピングがおきている。軽井沢ツアーバスの事故があったが、タクシー業界も他人ごとではない。このままいけばタクシー、路線バスは近い将来無くなってしまうのではないだろうか。乗務員側は、安心安全を心がけ、低賃金の中で皆頑張っている。35万人の産業、皆で手を取り合い白タクを日本に入れない運動をしているが、ご理解と応援をお願いしたい。
・今では、車外カメラはコンビニでの強盗防止に役立ったり、車内でのお客様の様子などから振込詐欺を防止する事例も出てきており、公共的な役割も担っている。

~第26回のご案内~
  日    時:月10日(木)18:30~20:30(18:00開場)
  場    所:連合会館2階 201会議室(地図:http://rengokaikan.jp/access/
  参加費:無料(事前申込不要、どなたでも参加できます)
 
~巨大都市を掘る~
上映作品:

『銀座の地下を掘る』(1963年/54分)

『地下を進む都市開発シールド工法』(1967年/24分)      
 高度成長時代の都市インフラ建設描く2作品。

働く文化ネットでは、毎月第2木曜日に労働映画鑑賞会を開催しております。

お気軽にご参加ください。お待ちしております。