第24回労働映画鑑賞会が終了しました。
12月10日(木)18:30~20:00(18:00開場)
~子どもを見守る地位の絆~
上映作品:『ボタ山の絵日記』(1957/39分)
この映画は筑豊炭鉱地帯の労働組合、教育委員会、福祉団体など地域をあげた協力体制のもとに制作された、筑豊の炭鉱地帯で暮らす生活困窮児たちを描いたセミ・ドキュメンタリー作品です。
今回の作品は、製作・配給元の共同映画株式会社のご協力により、倉庫に保管されていた16ミリフィルムを働く文化ネットが修復し、デジタル化したものを上映いたしました。
<麻生裕子さん 連合総合生活開発研究所 主任研究員>
<麻生さんによるコメント>
・この映画では長期欠席児童と貧困を描いているが、そのような貧困の連鎖は2000年代前半に再び表面化し、今なお問題となっている。
・捕れたザリガニを友だちの家族の人数によって分配するシーンがあったが、自分たちの世代だったら「自分が捕ったら自分のもの」となる。このギャップはどこから来るのか、この平等主義は暮らしの中で自然と身に着いたものなのか。
・子供を学校に戻すため、行政だけではなく労働組合をはじめ市民団体、教育関係者、警察など、地域全体で協力して取り組んでいる様子が見て取れる。
当時、組合もメンバーシップを超えて外に広がる運動をしていたのがよくわかった。地域の中で有力な組合が、現代においてもその役割を果たしてほしい。
<参加者の感想>
・貧困の中でも人間性を失わない子供たちの世界に感動した。こういったことに私たちは希望を感じるのであろう。
・子供たちの表情は明るかった。それは彼らが孤立していないからであろう。
・今の組合活動には“文化”はあるのだろうか。今の運動に“文化”が加われば、もっと連帯しやすくなり広がっていけるのでは。
・この映画で地域一体となりやろうとした「連帯する」こと、今の時代も答えはそこにしかないのでは。
・この映画に描かれているような地域の絆は、かつて日本全国にあった。壊してしまったのは、私たちの世代ではないだろうか。「古臭い」、「面倒くさい」と否定してきたもの。それが今になり孤独死などといったしっぺ返しとなって帰ってきているのではないか。なくしたものはなんだったのか、考えさせられた。
~第25回のご案内~
日 時:※2月4日(木)18:30~20:30(18:00開場)
場 所:連合会館2階 201会議室(地図:http://rengokaikan.jp/access/)
参加費:無料(事前申込不要、どなたでも参加できます)
~交通安全の最前線にて~
上映作品:『ドキュメント 路上』(1963年/54分)
交通地獄の中で、事故と隣り合わせの過酷な日々を送るタクシー運転手の実態を描く。
働く文化ネットでは、毎月第2木曜日に労働映画鑑賞会を開催しております。
※1月はお休みで、次回は2月となります。(2月の第2木曜日は祝日なので第1木曜日に行います)
お気軽にご参加ください。お待ちしております。