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コラム:21世紀は労働映画の時代となるか(電機連合NAVIより)

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<エッセイ>「21世紀は労働映画の時代となるか」
NPO法人・働く文化ネット理事 鈴木 不二一
※『電機連合NAVI No.51(2014年冬号)』掲載
電機連合のご厚意により転載させていただきました。
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最初の映画は労働映画だった

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 映画を最初に発明したのは誰かについては諸説がある。しかし、スクリーンに映写された動画を鑑賞するという、今日の形式の映画を発明したという点からみれば、1895年、フランスのリュミエール兄弟による「シネマトグラフ」の発明と、世界で初めての映画興行こそが、映画の誕生を告げるものといえるだろう。

 リュミエール兄弟の映画は、内容の点でもそれまでの映画作品をはるかに凌駕するものだった。第1に、それは当時のフランスの人々の日常生活を記録したドキュメンタリーであり、第2に、単に被写体をそのまま撮影したのではなく、映画製作者による「演出」が施されている点でも画期的だった。

 ところで、リュミエール兄弟による最初の映画は、『工場の出口』(1895年公開、撮影は1894年頃)という作品で、リヨンのリュミエール工場(写真乾板等製造)から出てくる労働者の群像を撮影したものである。わずか46秒の超短編ではあるけれども、貴重な労働史の資料としてもみることができる。最初の映画は、労働映画でもあった。

 

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